フィットネスで広がる健康と笑顔。移住先で人々のつながりを生むヨガインストラクター

レッド

written by 川西里奈

地域への移住者が増えていますが、移住へいたる経緯や志は人それぞれです。
今回は栃木県・那珂川町へご家族3人で移住した磯野さんに、那珂川町での活動や今後の展望についてお話を伺いました!

磯野奈央子(いその なおこ)

ヨガインストラクター。大手フィットネスクラブに入社後、スタジオプログラムの指導を担当し、フリーランスのヨガインストラクターとして独立。那珂川町へ移住しヨガ教室を開設、町の健康促進イベントなどの講師も務める。

資格を取得し、東京から那珂川町へ移住

__磯野さんご一家が、那珂川町へ移住されたきっかけは何だったのでしょうか?

 

磯野奈央子さん(以下、磯野):私は元々、東京のフィットネスジムで働いていました。新店舗を2店舗任せてもらい、人材の育成もやっていて、その頃はまったく田舎に移住することは考えていなかったです。

その頃知り合った夫が「地元に帰って飲食店をやりたい」と言っていて、私はいずれ自分のスタジオを持ちたいと思っていたので、それを地方でやるのもありかも!と思い立ち、スイッチが入りました。

東京にいるうちに、地方でも生かせるヨガやタイ古式マッサージの資格を取り、30歳を機に10年くらい勤めた会社を辞めて、フリーのフィットネスインストラクターとして働き始めました。

 

▲移住を視野に、ヨガやフィットネスに関する複数の資格を取得。

 

__フリーのフィットネスインストラクターという働き方があるんですね!

 

磯野:ヨガスタジオやジムを1日に3〜4店舗を回ってレッスンをしたりしていましたね。それで、結婚して子どもが生まれて半年くらいが経った2018年の春に、夫の地元である那珂川町へ引っ越してきました。

ヨガのレッスンもできそうなちょうど良い物件が見つかったのも、引っ越しを決めるきっかけでしたね。自宅であれば、子どもを育てながら仕事ができるので。

 

▲自宅の一角には広々としたヨガのレッスンスペースがある。

ヨガ教室を通して輪が広がる

__那珂川町ではどういった活動をされているのですか?

 

磯野:自宅でのレッスンのほかに、町が企画する健康イベントに講師として呼んでいただいたり、サッカークラブの体操の一貫で、月に一回教えたりなどしています。

 


▲子どもたちへの体操の一貫でヨガを教えることも。

 

体をほぐすリラックスヨガもやっているので、忙しいお母さんたちがそこに参加してリラックスの時間を作ったり、ヨガは小学生からもできるので、親子の時間をつくれる空間としても利用してもらえると嬉しいですね。

親子で参加できるハロウィンやクリスマスのイベントや、ハワイアンリトミックをやったりもします。昨年はオンライン開催もしてより幅広い方々に参加をいただきました。

こういった場から、町の中で出逢えない人たちのコミュニティができて、年齢も越えてコミュニケーションが生まれるきっかけになると良いなと思います。

 

__始めた頃、ヨガ教室はどのように告知していったのですか?

 

磯野:チラシを作って子育て支援センターにもって行ったり、徐々に口コミで知ってもらえるようになりました。

この教室を通して、知り合いやママ友達も増えていきました。町のイベントに行くと、夫の昔の担任の先生や同級生がいたりして、そんなつながりもあってだんだん広がっていきましたね。

 

▲自宅でのヨガレッスンは親子での参加もOK。

「住んだからこそわかること」を移住者へ発信していきたい

__東京での暮らしとはだいぶ違うのかなと思いますが、移住してすぐは大変でしたか?

 

磯野:ガスの開栓ひとつとっても、こっちは都市ガスでなくプロパンガスなのでどうすればいいのかわからなかったり。。電話したらすぐに業者が来てくれて何でもやってくれるのが当たり前だった東京の便利さに、慣れすぎていたなと思いました。

最近では、移住を希望する人も増えているので、今後は新しく来る人に役立つ情報を発信したいなと思っています。住んだからこそわかることを伝えるコミュニティハウスなどもできたらいいなと思います。

 

__コミュニティハウス、良いですね!

 

磯野:子どもを遊ばせながらお茶をする場所が那珂川町にはあまりないので、若い人やいろんなジャンルの人がぷらっと気軽に来られる場所にもできたら良いですね。

 

__移住者の方へ伝えたい那珂川町の魅力はどんなところでしょう?

 

磯野:人のあたたかさと自然ですね。自然は慣れすぎて当たり前になっちゃいますが(笑)。田んぼも山も川もあって、子どもものびのび遊ばせられるし、住むと決めなくても、都会から深呼吸しにくる場所としても良いと思います。

夫婦の夢は「メイン通りに人通りが生まれること」

__ご自身のヨガ教室を通して実現したいことはどんなことでしょうか?

 

磯野:町の人たちに自分のからだに興味を持ってもらい、健康を維持してほしいです。

からだが健康になると自然と笑顔になれます。運動を通じて人のつながりが生まれて、年齢も関係ないコミュニティができるとうれしいですね。

町に新しく来る人にとってもすでにある輪に入るのってむずかしいと思うので、みんなで体を動かすことで、新たな輪が広がると良いと思います。

それと町の活性化につながる活動もしていきたいです。ぷらっと寄れるお店や場所ができて、町にもっと人通りが生まれると良いよねと、夫婦でいつも話しています。

 

ゲストハウスやお店など、都会で暮らす人の第二の家となるような場所を作り、将来的には雇用も生まれるといいなと思います。実家が都会だと田舎暮らしを始めるのはリスクが高いと思うので、もっと気軽に田舎を体験できる第二の家があると良いですよね。

 

wifiスポットを用意してパソコンが自由に使えたり、町の中心にそういった場所ができればもっと活性化すると思います。空き家を上手く活用するなど、できることはたくさんあるのでこれから夫婦でも活動していきたいですね。

 

__磯野さん、ありがとうございました!

取材を終えて

場所にとらわれずに好きな仕事をする。そのために資格を取得し、自宅でヨガスタジオを開設した磯野さん。今では自宅を飛び出てさまざまな場所でレッスンを開催しています。

町の人に必要とされるのは、磯野さんの持ち前の明るさが参加した人を笑顔にし、輪が広がっていくからなのだと思います。ご夫婦での活動が町の活性化につながっていくのもとても楽しみです。

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